ネット誹謗中傷|損害賠償の相場と請求の流れ
文責:弁護士 野上 晶平ネット誹謗中傷で損害賠償請求はできるのか
インターネット上の誹謗中傷は、企業の信用や取引関係に深刻な影響を及ぼします。しかし、多くの経営者の方々が「ネット上の悪口程度で法的対応ができるのだろうか」と疑問に思われているのも事実です。結論から申し上げますと、企業に対するネット誹謗中傷についても、適切な法的根拠があれば損害賠償請求(いわゆる慰謝料請求)は十分可能です。ただし、単に「悪口を書かれた」というだけでは請求は困難であり、適切な法的根拠や発信者の特定などの実務的な要件を満たす必要があります。単に不快な書き込みがあるだけでは直ちに賠償が認められるわけではありません。
企業が受ける誹謗中傷の具体例
企業が受ける誹謗中傷には、様々なパターンがあります。まず、最も多いのが商品やサービスに対する根拠のない批判です。たとえば、「この会社の商品は粗悪品ばかりで、詐欺まがいの商売をしている」といった書き込みがこれにあたります。さらに、経営陣の個人攻撃も深刻な問題となっています。「社長は前科があって、暴力団との関係もある」などの虚偽の事実を書き込まれるケースも少なくありません。
また、従業員の労働環境に関する誤解を招く投稿も増加傾向にあります。「ブラック企業で従業員をこき使っている」「パワハラが日常茶飯事」といった内容は、企業の採用活動にも深刻な影響を与えます。加えて、企業の財務状況について虚偽の情報を流布される場合もあります。これらの誹謗中傷は、企業の社会的信用を著しく損なうものであり、法的対応の対象となり得るのです。
さらに、企業の役員や従業員の個人情報、例えば氏名、住所、家族構成、あるいは過去の経歴などが本人の同意なく公開される「プライバシー侵害」も深刻な問題です。これは、個人の尊厳を傷つけるだけでなく、企業全体のセキュリティ意識の欠如を疑われる事態にも発展しかねません。
損害賠償請求の法的根拠
企業が誹謗中傷に対して損害賠償を請求する法的根拠は、民法第709条の不法行為責任です。同条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と規定しています。
主な権利侵害として「名誉毀損」「侮辱(名誉感情侵害)」「プライバシー侵害」などが挙げられます。企業の場合は、特に社会的評価を低下させる「名誉毀損」や、会社の経済的な信用を害する「信用毀損」が問題となることが多いです。
さらに、これらの行為によって実際に売上が減少したり、取引先との関係が悪化したりした場合には、業務妨害も成立する可能性があります。重要なのは、単なる意見や感想ではなく、具体的事実の摘示があることです。
ネット誹謗中傷における損害賠償の相場
損害賠償を請求するにあたり、経営者様が最も気になるのは「一体いくら請求できるのか」という点でしょう。損害賠償の金額は、権利侵害の内容や被害の程度、書き込みの悪質性など、個別の事情によって大きく変動するため、一概に「いくら」と断定することは困難です。しかし、過去の判例や一般的な傾向から、ある程度の目安を把握することは可能です。ただし、これらの情報はあくまで一般的な目安であり、個別の事案によって金額は大きく異なる可能性があることをご理解ください。
名誉毀損の場合の相場
名誉毀損の成立には、「公然性」「事実の摘示」「社会的評価の低下」という3つの要件を満たす必要があります。「公然性」とは、不特定または多数の人が認識できる状態を指し、インターネット上の掲示板やSNSの公開投稿などはこれに該当します。「事実の摘示」とは、具体的な事実を記載していることであり、その事実が真実であるか否かは原則問いません。例えば、「〇〇社の社長は脱税している」といった具体的な内容がこれにあたります。そして「社会的評価の低下」とは、その情報によって一般人の評価が下がることを意味します。
名誉毀損が認められた場合の慰謝料相場は、企業の場合50万円から100万円程度とされています。これは個人の場合(10万円から50万円程度)と比較すると高額に設定されています。なぜなら、企業の場合は社会的影響が大きく、取引先や顧客に与える損害も深刻だからです。ただし、企業(法人)は精神的苦痛を感じることがないため、「慰謝料」ではなく「無形損害」として算定されることになります。
具体的な金額は、誹謗中傷の内容の悪質性、拡散の程度、企業の規模や知名度、実際に生じた被害の大きさなどを総合的に考慮して決定されます。たとえば、全国的に知名度の高い企業の場合は、より高額な賠償が認められる可能性があります。逆に、投稿がすぐに削除されたり、閲覧者が少なかったりした場合は、金額が抑えられる傾向にあります。裁判例を見ると、特に悪質なケースでは100万円を超える賠償が認められることもあります。
【裁判例1】令和7年1月15日東京地裁判決
IT企業が、元従業員による転職サイトの口コミ掲示板への「パワハラ、独断と偏見が凝り固まっているため、場合によっては精神的な治療が長期間必要になる可能性も充分にある」との投稿について名誉毀損を認め、損害賠償36万円(無形損害30万円、発信者情報開示費用3万円、弁護士費用3万円)及び投稿の削除を命じた事例。
転職サイトへの書き込みという、企業が実際に直面しやすいケースであり、企業の無形損害として30万円が認められています。
【裁判例2】令和4年12月15日千葉地裁木更津支部判決
飲食店経営会社が、爆サイへの「在日朝鮮人の保険金詐欺師兄弟」「フロント企業を出して日本人から金を巻き上げている」との悪質な投稿について名誉ないし信用を毀損されたとの主張を認め、書き込み者に対し、飲食店経営会社に損害賠償55万円(無形損害50万円、弁護士費用5万円)の支払を命じた事例です(経営者・その家族に対しても別で賠償を命じています)。
投稿内容が「保険金詐欺」「フロント企業(暴力団関係)」という極めて悪質なものであったため、企業の無形損害として50万円が認められています。また、ヘイトスピーチとしても評価される内容でした。
侮辱的表現(名誉感情侵害)の場合の相場
侮辱的表現(根拠のない罵倒や人格否定など)は名誉毀損より軽い扱いとなることが多く、慰謝料(無形損害)の相場は比較的低め(数万円〜数十万円)にとどまることが多いです。
侮辱(名誉感情侵害)は名誉毀損と異なり、具体的事実の摘示がない場合の人格攻撃を対象としています。たとえば、「この会社はバカ集団だ」「経営陣は無能だ」といった抽象的な悪口がこれにあたります。投稿の回数が多い場合や、特に悪質な表現が使われている場合には、金額が増額される可能性もあります。
プライバシー侵害の場合の相場
プライバシー侵害による損害賠償の相場は、おおよそ10万円から50万円程度とされています。企業のプライバシー侵害とは、たとえば経営陣の個人情報や企業の内部情報が無断で公開された場合などが該当します。具体的には、役員の自宅住所、家族構成、過去の経歴などの個人情報や、企業の財務データ、取引先情報、従業員の個人情報などが無断で晒される場合です。
プライバシー侵害の損害額は、公開された情報の性質、公開された範囲、被害の程度などによって決まります。また、情報が公開されたことによって実際にどのような損害が生じたかも重要な要素となります。たとえば、取引先情報が流出して契約を打ち切られた場合や、従業員の個人情報が晒されて退職者が出た場合などは、より高額な賠償が期待できるでしょう。近年は個人情報保護への意識が高まっているため、プライバシー侵害への損害賠償も高額化する傾向にあります。
慰謝料以外に請求できる費用
損害賠償請求では、慰謝料以外にも様々な費用を請求することが可能です。まず、最も重要なのが「発信者情報開示請求」にかかった費用です。匿名の投稿者を特定するためには、プロバイダやサイト運営者に対して法的手続きを取る必要があり、その費用は実費として請求できます。この費用は通常50万円から100万円程度かかることが多く、全額または一部が損害として認定される場合があります。
さらに、弁護士費用の一部も請求可能です。裁判例では、損害額の10%程度が弁護士費用として認められることが一般的で、実際に支払った弁護士費用の全額が認められるわけではないことに注意が必要です。
【発信者情報開示費用が全額認定された事例】
先程紹介した、令和4年12月15日千葉地裁木更津支部判決では、発信者情報開示請求にかかった費用(弁護士費用+実費)73万4600円の全額が損害として認められました。この判決における費用の内訳は以下のとおりです。
- IPアドレス開示の費用:5万5000円
- プロバイダへの発信者情報消去禁止及び開示請求の着手金:11万円
- プロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟の着手金:33万円
- プロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟の報酬金:22万円
- 実費(謄本取得費、収入印紙代、切手代):1万9600円
判決では、「法律の専門的知識がない原告(経営者の家族)が専門家である弁護士に委任し、上記費用を支払ったことは、相当性があると認められる。したがって、上記費用の全額が、本件投稿と相当因果関係のある損害に当たる」と判示されています。
ただし、すべてのケースで全額が認められるわけではなく、事案の内容や損害の程度によって判断されます。
また、誹謗中傷によって実際に売上が減少した場合の逸失利益も請求対象となります。しかし、誹謗中傷と売上減少の因果関係を立証することは困難な場合が多いのが現実です。
損害賠償請求を行うための具体的な流れ
損害賠償請求を成功させるためには、適切な手順を踏むことが不可欠です。特に、ネット上の誹謗中傷は証拠が消失しやすいという特徴があるため、迅速かつ的確な対応が求められます。以下では、実際の手続きの流れを段階的にご説明いたします。
① 証拠の保全(スクリーンショット、発信日時等)
まず何よりも先に着手すべきなのが、誹謗中傷の証拠を確保することです。インターネット上の書き込みは、投稿者によって簡単に削除できるため、発見次第すぐに証拠を保存することが極めて重要です。証拠がなければ、そもそも権利侵害があったことを証明できません。
具体的には、以下の情報が分かるように、該当ページのスクリーンショットを撮影するか、PDF形式で保存してください。
- 誹謗中傷の書き込み内容
- その書き込みが掲載されているページのURL
- 投稿された日時
ウェブ魚拓などのサービスを利用して、ページの完全な状態を保存しておくことも有効です。また、誹謗中傷の書き込みのページ以外に投稿者のアカウント情報も合わせて保存してください。
さらに、複数回にわたって誹謗中傷が行われている場合は、それら全てを時系列順に整理して保存しましょう。悪質な書き込みの回数や継続性は、誹謗中傷の悪質性を裏付ける重要な要素となり、慰謝料の増額につながる可能性も秘めています。
特にSNS上の書き込みは、他の投稿も多いと流れていってしまうため、後から探すこと困難になる場合もあるので、これらの作業は、誹謗中傷を発見したら、すぐに行うようにしてください。
② 投稿者の特定(発信者情報開示請求)
匿名による誹謗中傷の場合、損害賠償請求を行うためには投稿者を特定する必要があります。これが「発信者情報開示請求」という法的手続きです。この手続きは2段階に分かれており、まずサイト運営者に対してIPアドレス(※1)の開示を求め、次にプロバイダ(※2)に対して契約者情報の開示を求めることになります。
発信者情報開示請求は複雑な法的手続きであり、多くの場合で裁判所への申立てが必要となります。また、サイト運営者やプロバイダが任意に情報開示に応じることは稀であるため、裁判所を通じた法的手続き(仮処分や訴訟)を前提とした準備が必要です。特に、プロバイダが保有するIPアドレスのログ情報は、通常3ヶ月から6ヶ月程度で消去されてしまうことが多いため、誹謗中傷を発見したら、一刻も早く手続きを開始することが極めて重要です。
これらの手続きには専門的な知識と経験が不可欠であるため、インターネット関連の法務に詳しい弁護士に依頼することが実質的に必須となります。
※1
IPアドレスとは、インターネット上の住所のようなもので、投稿者がどのインターネット回線からアクセスしたかを特定するための重要な情報となります。
※2
プロバイダとは、インターネット接続サービスを提供する事業者(NTT、KDDI、ソフトバンクなど)のことを指します。
③ 投稿者との交渉(示談)
投稿者が特定できた後は、まず示談による解決を目指すのが一般的です。示談とは、裁判外で当事者間の話し合いによって紛争を解決することを意味します。示談のメリットは、訴訟と比較して時間とコストを大幅に削減できることです。また、示談の内容は非公開とすることができるため、企業の名誉を守りながら問題を解決することが可能です。
示談交渉では、損害賠償額の算定、謝罪文の作成、再発防止の約束などについて話し合いを行います。相手方が素直に非を認めて謝罪し、適切な損害賠償に応じる場合は、示談で円満に解決できることも多いです。しかし、相手方が責任を認めなかったり、提示する賠償額が不当に低かったりする場合は、示談による解決は困難となります。示談交渉においても、法的知識と交渉スキルが重要であるため、弁護士に依頼することをおすすめします。
④ 訴訟(裁判)
示談による解決ができない場合は、訴訟を提起することになります。訴訟には時間と費用がかかりますが、裁判所の判断によって適正な損害賠償額を獲得できる可能性があります。また、判決によって相手方の法的責任が明確化されるため、企業の正当性が公に認められることで、失われた信用や名誉の回復につながる可能性もあります。さらに、相手方が任意に支払いに応じない場合でも、判決に基づいた強制執行によって回収を図ることが可能です。
ただし、訴訟にはデメリットもあります。まず、解決まで通常1年以上の期間を要することです。また、弁護士費用や裁判費用などのコストも相当額になります。さらに、被告側の主張が認められる可能性もゼロではないため、必ずしも勝訴できるとは限りません。訴訟を提起する前には、費用対効果を慎重に検討し、専門家である弁護士と十分に相談することが重要です。
誹謗中傷で賠償請求する際の注意点
損害賠償請求を検討される企業の皆様には、事前に理解しておくべきいくつかの重要な注意点があります。これらを理解せずに手続きを進めると、期待した結果が得られなかったり、想定以上の費用や時間がかかったりする可能性があります。
投稿者の特定のための情報保存期間
特に、爆サイや5ちゃんねる等へ書き込みをされた場合の最大の敵は「時間」です。なぜなら、アカウント登録を必要としない匿名のインターネット掲示板の場合、投稿者を特定するためにはアクセスログ(誰が《どのIPアドレスから》いつ書き込みをしたかの記録)が必要となりますが、このアクセスログは、永続的に保存されているわけではなく、通常3ヶ月から6ヶ月程度で削除されてしまうからです。この情報が削除されてしまうと、投稿者の特定は事実上不可能となってしまいます。
そのため、誹謗中傷を発見した場合は、可能な限り迅速に発信者情報開示請求の手続きを開始する必要があります。「もう少し様子を見てから」「まずは会社内で検討してから」といった悠長な対応では、貴重な証拠を失ってしまう危険があります。
損害賠償請求権の時効
損害賠償請求権には時効があります。民法第724条の規定により、「損害及び加害者を知った時から3年間」で請求権が消滅してしまいます。つまり、誹謗中傷による被害を受け、投稿者が特定できたとしても、その事実を知ってから3年以内に請求手続きを行わなければ、法的に請求できなくなってしまうのです。また、「不法行為の時から20年」が経過した場合も、同様に請求権は消滅します。
時効の起算点について注意が必要なのは、「損害及び加害者を知った時」という点です。単に誹謗中傷を受けたことを知っただけでは足りず、具体的に誰が加害者なのかを知った時点から時効が進行します。そのため、投稿者の特定に時間がかかった場合でも、特定できた時点から3年間は請求が可能です。しかし、前述の情報保存期間の問題もあるため、やはり迅速な対応が求められることに変わりはありません。
費用倒れのリスク(相手に支払い能力がないなど)
損害賠償請求を検討する際に見落としがちなのが、相手方の支払い能力の問題です。苦労して投稿者を特定し、裁判で勝訴したとしても、投稿者が無職であったり、多額の借金を抱えていたりすると、現実的に回収することは困難です。そのため、加害者の資力(勤務先・資産)を見極めること、示談で現実的な回収計画を立てることが必要です。
また、裁判で認められる慰謝料の額は、必ずしも高額とは言えません。そのため、認められた賠償額よりも、投稿者の特定にかかった調査費用や弁護士費用の方が上回ってしまい、結果的に経済的な損失を被るリスクも存在します。請求に踏み切るかどうかは、こうしたリスクも踏まえた上で慎重に判断する必要があります。
正当な批評との線引き
最後に重要な注意点として、誹謗中傷と正当な批評との線引きがあります。企業活動に対する批判的な意見や評価は、表現の自由として保護される場合があり、すべてが損害賠償の対象となるわけではありません。たとえば、「この商品は使いにくい」「サービスの質が期待に満たなかった」といった個人の感想や体験談は、基本的には正当な批評の範囲内とされます。
問題となるのは、虚偽の事実を摘示したり、度を越えた表現で人格攻撃を行ったりする場合です。また、同じ内容であっても、表現方法や文脈によって誹謗中傷にあたるかどうかが変わることもあります。この線引きは極めて微妙であり、法的専門知識なしには正確な判断が困難です。そのため、「これは誹謗中傷だ」と感じた場合でも、まずは冷静に内容を分析し、弁護士に相談してから対応を決めることが賢明です。感情的な対応は、かえって企業のイメージを損なう結果につながる可能性もあるため注意が必要です。
弁護士に依頼するメリット
企業としての毅然とした対応につながる
弁護士が代理人として対応することで、企業としての毅然とした姿勢を明確に示すことができます。個人的な感情による対応ではなく、法的根拠に基づいた適正な手続きを進めていることが相手方にも伝わり、より真摯な対応を引き出すことが期待できます。また、従業員や取引先に対しても、会社が適切に問題に対処していることを示すことで、企業への信頼を維持することにつながります。
さらに、弁護士による対応は、今後の抑止効果も期待できます。「この会社は法的対応をしっかりと行う」という認識が広まることで、安易な誹謗中傷を防ぐ効果があります。経営者の皆様が直接対応するよりも、より客観的で冷静な判断に基づいた対応が可能となり、企業の品格を保ちながら問題解決を図ることができるのです。
専門的な手続きを一任できる
誹謗中傷への法的対応には、多岐にわたる専門的な知識と複雑な手続きを要します。企業経営者の皆様が、本業の傍らこれらの手続きを全て自ら行うことは、現実的に非常に困難で非効率です。弁護士に依頼することで、以下のような専門的な手続きを全て一任し、経営者の皆様は本業に集中することができます。
- 発信者情報開示請求の手続き代行
弁護士は、サイト運営者やプロバイダに対する発信者情報開示請求の手続きを、証拠保全から裁判所への申し立て、訴訟提起まで一貫して代行できます。この手続きは専門的で時間的な制約も厳しいため、弁護士の迅速かつ的確な対応が不可欠です。 - 損害賠償額の算定と交渉
弁護士は、被害状況、過去の裁判例や法的基準に基づき、事案に見合った適切な損害賠償額を算定し、相手方と対等な立場で交渉を行います。感情的になりがちな交渉においても、冷静かつ論理的に企業の権利を主張することができます。交渉がまとまらない場合には、訴訟提起を行い、裁判を通じて賠償を求める手続きも代行できます。 - 証拠収集のアドバイスとサポート
損害賠償請求には、誹謗中傷の事実を裏付ける確かな証拠が必要です。弁護士は、どのような証拠が必要か、どのように保全すべきかについて具体的なアドバイスを提供し、必要に応じて証拠収集のサポートも行います。特に、インターネット上の情報は消えやすいため、迅速な証拠保全が重要となります。 - 再発防止策の提案
単に損害賠償を請求するだけでなく、今後の再発防止についても専門的なアドバイスを提供します。企業のインターネット上でのリスク管理体制の構築、監視体制の整備、緊急時の対応フローの作成など、総合的なサポートを行います。 - 刑事告訴のサポート
悪質な誹謗中傷については、民事上の損害賠償請求と併せて刑事告訴を検討する場合もあります。弁護士は、刑事告訴の要件や手続きについてもサポートします。ただし、刑事手続きは検察官の判断に委ねられる部分が大きいため、必ずしも期待する結果が得られるとは限りませんので、ご留意ください。
まとめ
インターネット上の誹謗中傷は、企業の信用や業績に深刻な影響を及ぼす重大な問題です。しかし、適切な法的根拠があれば、損害賠償請求によって被害の回復を図ることが可能です。
本コラムでは、ネット誹謗中傷における損害賠償の相場と請求の流れについて解説してまいりました。重要なポイントを改めて整理いたしますと、まず、企業が損害賠償を請求するためには、名誉毀損、侮辱的表現(名誉感情侵害)、プライバシー侵害といった具体的な権利侵害を立証する必要があります。そして、慰謝料の相場は、権利侵害の内容によって異なり、企業の場合は50万円から100万円程度が一般的な目安となります。
また、損害賠償請求を成功させるためには、証拠の保全、投稿者の特定、示談交渉または訴訟という段階的な手続きが必要です。特に、投稿者を特定するためのアクセスログは3ヶ月から6ヶ月程度で削除されてしまうため、誹謗中傷を発見したら迅速な対応が求められます。さらに、損害賠償請求権には3年の時効があることや、費用倒れのリスクがあることも十分に理解しておく必要があります。
ネット誹謗中傷への対応は、法的知識と実務経験が不可欠な分野です。適切な証拠保全、投稿者の特定、損害賠償額の算定など、専門的な判断を要する場面が数多くあります。また、正当な批評との線引きも微妙であり、誤った対応は企業のイメージをかえって損なう可能性もあります。
弁護士に依頼することで、これらの専門的な手続きを一任でき、経営者の皆様は本業に集中することができます。また、弁護士が代理人として対応することで、企業としての毅然とした姿勢を示し、今後の誹謗中傷の抑止効果も期待できます。
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