セクハラを行う社員への対応

セクハラ(セクシュアルハラスメント)については、
行った社員だけではなく、会社が防止措置をとることも重要です。

 

防止措置を怠っていた場合、セクハラの被害者から、使用者責任や
職場環境配慮義務違反を理由に損害賠償を請求される恐れがあるからです。

 

特に、セクハラが原因で退職を余儀なくされた場合には、精神苦痛などによる慰謝料だけでなく、
逸失利益(退職しなければ、本来受け取ることができていた利益のことなど)の賠償が
認められることがあり、多額の損害賠償責任を負う危険性があります。

 

セクハラの定義

職場におけるセクシュアルハラスメントとは、
「職場」において行われる、「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により
労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されることをいいます。
(厚生労働省:『事業主の皆さん 職場のセクシュアルハラスメント対策はあなたの義務です!!』より)

 

セクハラとなる「性的な言動」は異性に対してだけでなく、同性に対しての言動も含まれます。
また、LGBTなどの性的少数者に対しての言動についても対象となると、
2016年にセクハラ指針(※1)が改正されました。

職場におけるセクシュアルハラスメントには、同性に対するものも含まれるものである。
また、被害を受けた者の性的指向又は性自認にかかわらず、当該者に対する職場における
セクシュアルハラスメントも、本指針の対象となるものである。

※1:セクハラ指針
厚生労働省が示している、男女雇用機会均等法関連資料にある関連指針、
事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針』のこと。

 

セクハラ対策と注意点

基本的には、『事業主の皆さん 職場のセクシュアルハラスメント対策はあなたの義務です!!』を
読み込み、【事業主が雇用管理上講ずべき10つの措置】を実践すれば十分なセクハラ対策が可能です。

そのうえで、明記されていない注意点がありますのでご紹介します。

相談窓口について

P.9~P.10に【相談窓口の設置】と【相談に対する適切な対応】について
書かれていますが、別のページで注目して欲しい箇所があります。

 

それは、P.19にある社内報の参考例にある相談窓口の項目に注目してください。
相談窓口に、男性女性外部の3つが用意されています。
このように複数の窓口を用意することで「性的な言動」による被害が、
「同性(別性)には相談しづらい」ことへの配慮が可能です。

 

相談は面談だけでなく、電話、メールなど複数の方法に対応し、
相談をしやすい窓口を用意することを心がけましょう。

拒まれなかったとの主張

セクハラの加害者として告発された側が、「性的言動」を認めても
「拒まれなかった」「同意の上での行為だった」と主張することがあります。

 

この主張を通して『セクハラはなかった』と判断するのは大変危険です。

 

なぜなら、セクハラの被害者は「内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、
職場の人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議抵抗ないし会社に対する被害の
申告差し控えたり躊躇したりすることが少なくないと考えられる」からです。
(海遊館事件・最高裁判所 平成27年2月26日の判決文より。全文は裁判所のホームページよりご覧いただけます。)

 

セクハラをした社員の懲戒解雇が認められた裁判例

セクハラ行為が悪質である場合は、懲戒解雇が認められることがあります。
例えば、「日本HP社セクハラ解雇事件・東京地方裁判所 平成17年1月31日」です。
(全文(セクハラ行為の詳細)は裁判所のホームページよりご覧いただけます。)

 

この裁判例で参考にしていただきたいことは、懲戒解雇と認められるようなセクハラ行為の内容ではなく、

  • 事実調査を行い陳述書を作成していた
  • 弁護士に懲戒解雇の是非を相談していた
  • 就業規則に懲戒処分の事由を記載していた

ということです。

 

本件のように、セクハラの加害者とされた側が、セクハラを否定し真っ向から争う場合は
上記のような証拠を用意することが大切です。

 

法改正

2019年3月8日、『女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案』が閣議決定されました。

 

この改正案には【セクシュアルハラスメント等の対策の強化】が含まれ、

  • セクシュアルハラスメント等に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の
    努めるべき事項が明確化することとします。
  • 労働者が事業主にセクシュアルハラスメント等の相談をしたこと等を理由とする
    事業主による不利益取り扱いを禁止することとします。

パワーハラスメント及びいわゆるマタニティハラスメントについても同様の規定を整備

とされています。

 

後日、追記予定(施行日について)
公布日から起算して1年を超えない範囲とされています。

まとめ

セクハラを行う社員への対応を間違えると、会社にも責任が問われてしまいます。
【事業主が雇用管理上講ずべき10つの措置】をきちんととっておきましょう。

 

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