協調性のない社員・業務命令に従わない社員への対応

社内で、もめ事を起こしたり、上司の命令を無視するなど、 協調性のない社員への対応は【遅刻・無断欠席をする社員】と同じく 当該社員にヒアリングをし、改善を促すことから始めましょう。

パワハラと主張されないように注意

上司に口答えをしたり、命令を無視するような社員は、 「自分は正しく、上司が間違っている」と考えていることが多いです。   そこで、感情的になって叱りつけてしまうと パワーハラスメントであると主張されてしまう危険性があります。   まずは、当該社員にどうしてこのような行為をするのかを確認するのはもちろんのこと 周りにいる関係者にも事情聴取を行い、事実関係を確定させましょう。

具体的に説明する

事実関係がはっきりとし、注意指導をするときには、 「●●さんに対して『○○○』と言った」「上司の『○○○』という業務命令に背いた」など 当該社員の問題行為を具体的に挙げて、この行為によってどのような悪影響がでているのかを 具体的に説明して、改善を促しましょう。 (このときのやり取りを書面にまとめておくことも大切です。)   それでも、改善されないときは【遅刻・無断欠席をする社員】にある項目 『証拠③【注意指導】』と同じく、文書やメールでの注意指導もしつつ、 軽い懲戒処分も考慮する必要があります。

業務命令に従わない社員に関する裁判例

業務命令に従わない社員への懲戒処分が認められるには、就業規則などに 当該業務命令に服するべき旨の規定があり、当該規定内容が合理的なものでなければなりません。

懲戒処分を有効とした裁判例(電電公社帯広局事件・最高裁判所 昭和61年3月13日)

精密検査受診命令を拒否した社員の懲戒処分(戒告)有効性が争われた事例です。  

【裁判要旨】

健康管理上の措置が必要であると認められる職員に対し二週間の入院を要する 頸肩腕症候群総合精密検診の受診を命ずる業務命令を発した場合において、 右職員に労働契約上その健康回復を目的とする健康管理従事者の指示に従う義務があり、 右検診が疾病の治癒回復という目的との関係で合理性ないし相当性を有するなど判示の事情があるときは、 右業務命令は有効であり、これに違反したことを理由とする戒告処分は適法である。
(全文は裁判所のホームページよりご覧いただけます。)  

【ポイント】

  • 健康管理規程を定めており、その規程には「健康管理従事者の指示 もしくは指導を受けたときは、これを誠実に守らなければならない」など、 職員の遵守すべき義務を明らかにしていました
  • 就業規則・健康管理規定の内容は合理的なものというべきであった。
  • 健康管理従事者による指示の具体的内容も健康の早期回復という目的に照らし 合理性ないし相当性を肯定し得る内容の指示であった。

当該社員が、受診拒否の意向を有しており、業務命令発出という形にまで発展したことを重視し、 非公開で団体交渉が行われたが、当該社員を含む12名の職員が立ち入り、退去指示にも従わなかった。 このときに約10分間、職場を離脱したことも処分の対象となっています。

懲戒処分を無効とした裁判例(富士重工業事件・最高裁判所 昭和52年12月13日)

就業時間中に、「原水爆禁止運動を行った社員に関する調査」に協力しなかった社員に対しての 懲戒処分(譴責)の有効性が争われた事例です。  

【裁判要旨】

労働者は、使用者の行う他の労働者の企業秩序違反事件の調査について、 これに協力することがその職責に照らし職務内容となつていると認められる場合でないか、 又は調査対象である違反行為の性質・内容右違反行為見聞の機会と職務執行との関連性、 より適切な調査方法の有無等諸般の事情から総合的に判断して、右調査に協力することが 労務提供義務を履行するうえで必要かつ合理的であると認められる場合でない限り、協力義務を負わない
(全文は裁判所のホームページよりご覧いただけます。)  

【ポイント】

  • 当該社員が、他の労働者に対する指導、監督ないし企業秩序の維持などを職責とする者 (調査に協力することがその職務の内容となっている者)では無かった
  • 調査の質問内容が、原水爆禁止運動を行った社員Dによって、 「職務執行を妨害しなかったか」など、社員Dの就業規則違反の事実を聞き出すものでなく、 原水爆禁止運動の組織、活動状況等を聞き出そうとしたものであった。

まとめ

協調性のない社員への対応は、慎重に事実確認をしなければなりません。   そして、業務命令に従わない社員を懲戒処分とするためには、 当該業務命令が合理的なものでなければなりません。   業務命令が合理的であるかの判断は、第三者の専門家に確認してもらうことをおすすめします。 協調性のない社員・業務命令に従わない社員でお困りでしたら、当事務所までご相談ください。   【問題社員対応へ戻る

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