不動産賃貸契約
不動産賃貸契約で法的に重要となるポイント
企業活動を展開していこうとするとき、不動産賃貸契約を締結する機会は非常に多いです。
事務所や店舗のテナントを借りることもありますし、自社の持ち物件を賃貸に出すこともあるでしょう。
事業用の賃貸借では、一般の居住用の契約とは異なる注意が必要です。
以下では、事業用の不動産賃貸契約において、法的に重要なポイントについて、虎ノ門法律経済事務所の弁護士が解説します。
1.事業用の不動産賃貸で重要なポイント
1-1.使用目的
事業用の物件を賃貸借する場合には、予め土地建物の利用目的を定めておくことが非常に重要です。
事業内容によっては、近隣住民に迷惑をかけることになってしまうこともありますし、建物を激しく毀損される可能性や改修が必要になる事業などもあるためです。
たとえば、事務所用であれば、必ず事務所用として契約書に明記し、変更を希望する場合には、必ず賃貸人の許可を得ることとしておきましょう。
1-2.賃料増減額特約について
不動産賃貸借契約において、借主には賃料減額請求権、貸主には賃料増額請求権が認められています。
ただし、貸主による賃料増額請求権については、特約によって行使を制限することが可能です。
これに対し、借主による賃料増額請求権の制限は認められていません(借地借家法11条。32条)。
そこで、このことを踏まえて、双方の賃料増減額請求権をどのように取り扱うか、決めておくべきです。
1-3.途中解約について
賃貸借契約を行うときには、期間を定めることが多いです。
契約期間を定めた場合、基本的に契約途中で解約することは認められません。
ただし、特約によって、途中解約を認めることは可能です。また、途中解約時に違約金が発生する旨定めることも認められます。
そこで、賃貸借契約を締結するときには、必ず途中解約権と違約金の有無、金額の設定を確認しておく必要がありあす。
ただし、これは、主に賃借人が途中解約をするときに適用されるものと考えましょう。
賃貸人から契約を解除するためには、「正当事由」が必要となるので、特約のみによって解除権を発生させることはできないからです。
1-4.原状回復について
事業用の賃貸借契約においては、原状回復費用が非常に高額になることがあります。
たとえば、飲食店などの店舗営業のために内装を大きく変えていたケースなどです。
また、どこまでの範囲で原状回復を行うべきか、問題となるケースもあります。
そこで、予め、原状回復の内容と範囲を明確にしておく必要があります。
賃借人が原状回復をせずに退去した場合には、賃借人の費用負担によって、賃貸人が原状回復することができることも、明記しておきましょう。
2.不動産賃貸借契約で迷われたら、虎ノ門法律経済事務所までご相談下さい
不動産賃貸借契約は、不動産取引の中でも法的トラブルが多発する類型です。
「転ばぬ先の杖」のため、不動産取引に精通している虎ノ門法律経済事務所まで、お気軽にご相談ください。